【2026年】京都府の省エネ補助金は?京都市と市外で異なる支援制度を解説

「京都市にはLED交換に使える補助金があるけれど、京都市以外の事業所はどうなるの?」

前回、京都市の中小事業者が利用できる省エネ設備の補助金を紹介しました。

では、宇治市や亀岡市、長岡京市など、京都市以外に事業所がある場合も、同じようにLEDや空調の更新に補助金を利用できるのでしょうか。

京都府内の制度を調べてみると、事業所の所在地によって利用できる補助制度や申請条件に違いがあります。

京都市では、LEDや空調など幅広い設備更新を対象とした補助金が現在も受け付けられています。一方、京都市外では、市町村独自の制度がある地域もありますが、対象設備は太陽光発電やEVなどさまざまです。さらに、京都府にもLEDや空調などを対象とする補助制度があり、2026年度は一度受付を終了したものの、9月15日から追加募集が行われています。

この記事では、京都市外の事業者が利用できる補助制度を紹介するとともに、京都市と京都市外でどのような違いが生じているのかを分かりやすく解説します。

京都市以外でも設備更新に使える補助金はある?

京都市以外でも、設備更新に利用できる補助制度はあります。ただし、京都府内のどこに事業所があっても、同じ補助金を利用できるわけではありません。

市町村が独自に実施する制度もあれば、京都府が府内の事業者を対象に実施する制度もあります。また、LEDや空調、太陽光発電、EVなど、対象となる設備も制度によって異なります。

そのため、京都市以外で設備更新を考えている場合は、

① 事業所がある市町村の補助金
② 京都府が実施している補助金

この2つを確認するのがポイントです。

まずは、市町村ごとにどのような制度があるのか見てみましょう。

【市町村別】京都府内で使える省エネ・設備導入の補助金一覧

京都府内では、市町村によって事業者が利用できる補助制度が異なります。

2026年度に各自治体が公開している情報を確認すると、LEDや空調だけでなく、太陽光発電やEV関連設備などを対象とした制度もあります。代表的な制度を見てみましょう。

市町村2026年度に確認できた
主な事業者向け制度
主な対象設備現在の状況
京都市省エネリノベーション
支援事業補助金
LED・空調・給湯・冷凍冷蔵受付中
宇治市ZEV普及促進
事業費補助金
EV等・事業所用充電設備受付中
向日市ゼロカーボン
推進補助金
事業所用太陽光発電など受付中
長岡京市COOL CHOICE
実践補助金
薪ストーブなど
(一部事業者対象)
受付中
京丹後市脱炭素重点対策
加速化事業補助金
事業所用太陽光発電など一部受付中
南丹市地域脱炭素重点対策
加速化事業補助金
事業所用太陽光
薪ストーブ等
一部受付中
久御山町高効率機器導入促進
事業費補助金
LED・空調・ボイラーなど府制度が追加募集中※
久御山町ソーラーカーポート
導入促進事業費補助金
ソーラーカーポート・蓄電池府補助金との連携制度

※久御山町の補助金は、京都府「サプライチェーン省エネ推進事業補助金」の交付決定を受けた事業者が対象です。京都府では2026年9月15日から追加募集を実施しており、予算額に達し次第終了します。

表を見ると、京都市外にも事業者が利用できる補助制度があります。ただし、その内容は地域によって異なります。太陽光発電を対象とする地域もあれば、EV・充電設備、薪ストーブなどを対象とする制度もあります。

京都市のように、LEDや空調など日常的に使用する複数の省エネ設備を幅広く対象とした制度が、京都府内のすべての市町村に用意されているわけではありません。

では、市町村で利用できる制度が見つからない場合、京都府の補助金を利用できるのでしょうか。

京都府にはLEDや空調に使える補助金がある

京都府では、府内に既存の事業所を持つ中小企業者等を対象に、「サプライチェーン省エネ推進事業補助金」を実施しています。対象設備には、LED照明や空調、ボイラーなどが含まれます。

京都市外でLEDや空調を更新する事業者も利用できる可能性がありますが、対象設備であれば誰でも申請できるわけではありません。

具体的な募集状況や申請条件を見てみましょう。

京都市と京都市外では利用できる補助金に違いがある

京都市と京都市外の制度を比べると、設備更新を検討する事業者が利用できる支援には違いがあります。

京都市では現在、「中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金」が実施されています。

対象設備は、空調・照明・給湯・冷凍冷蔵設備。補助率は対象経費の3分の1で、上限200万円です。申請期間は2026年8月28日から2027年3月31日までで、予算額に達するまで先着順で受け付けています。

この事業には、2026年度7月補正予算として2億9,000万円が計上されています。

一方、京都市外の事業者がLEDや空調などの更新に利用できる京都府の「サプライチェーン省エネ推進事業補助金」は、対象となる事業者や申請条件が京都市の制度とは異なります。

つまり、同じ京都府内で同じようにLEDや空調を更新する場合でも、事業所の所在地によって利用できる制度や申請条件が異なります。

京都府の補助金は「ある」だけでは利用できない

京都府では、LEDや空調、ボイラーなどの設備更新に利用できる「京都府サプライチェーン省エネ推進事業補助金」を実施しています。ただし、対象となる設備を導入すれば、すべての事業者が利用できるわけではありません。

募集時期や申請条件、補助金額などを確認し、自社が利用できる制度なのかを判断する必要があります。

「サプライチェーン限定」がもたらす構造的な歪みと制度設計への疑義

制度運営事務局に対するヒアリングにおいて、当該事業の主眼は「一般的な省エネルギー化の推進」ではなく、「大企業のサプライチェーンの維持・強化」にあるとの旨が示されました。これは、「脱炭素社会の実現」を広く標榜しつつも、実質的な支援対象を極めて限定的な企業群に絞り込んでいることを意味します。

京都府内に所在する中小企業全体を俯瞰した場合、特定の大手サプライチェーンに組み込まれている企業よりも、地域に根差し、独立して事業を営む企業の方が圧倒的多数を占めています。圧倒的多数を占める「一般的な中小企業」の切実な省エネ・コスト削減ニーズという、既に可視化されている既知の課題を、この制度は意図的に無視しているように見受けられます。一部の企業群のみを優遇する仕組みは、政策の透明性や本来の「地域全体の脱炭素化」という目的との整合性において、大きな疑問符が付きます。

広域自治体における支援の地域間格差と「空白地帯」の発生

本制度における対象要件の限定は、府内における地域間の公平性に重大な影響を及ぼしていると考えられます。京都市内の中小企業に対しては、同市独自の省エネルギー化支援策が整備されている一方で、京都市外(乙訓、山城、南丹、中丹、丹後等の各地域)に所在し、かつ特定のサプライチェーンに属さない独立系中小企業は、公的な支援スキームから実質的に排除される懸念があります。

広域自治体たる都道府県の本来の役割は、基礎自治体の施策が及ばない領域を補完し、広域的な見地から均衡ある支援を提供することにあります。現行の制度設計は、この補完性の原則に照らし、再考を要する状況にあると言えます。

2026年度は追加募集を実施

2026年度の「京都府サプライチェーン省エネ推進事業補助金」は、6月19日から8月19日まで募集され、いったん受付を終了しました。その後、9月15日から追加募集が開始されています。 現在は明確な締切日は設定されておらず、予算額に達し次第終了となります。

補助金を探すときは「制度があるか」だけではなく、現在も申請を受け付けているかを確認することが大切です。

申請するには条件を満たす必要がある

この補助金は、京都府内の中小企業であれば誰でも利用できるわけではありません。通常の申請では、取引先などを含めたサプライチェーン全体でCO₂排出量を減らす計画を作り、その計画の中に自社の設備更新が含まれていることなどが条件となります。

そのため、「古いLEDや空調を省エネ設備に交換したい」という理由だけでは、利用できない場合があります。

補助率は原則として補助対象経費の3分の1以内で、補助額は50万円以上250万円以下です。そのため、通常枠では補助対象経費が150万円未満の場合は対象になりません。

申請前には京都府産業廃棄物3R支援センターへの事前相談が必要です。申請時には、事業計画書や収支予算書、見積書、設備の写真、法人登記事項証明書、府税の滞納がないことの証明書など、複数の書類を準備する必要があります。

つまり、「LEDや空調が補助対象になっている=自社も利用できる」とは限りません。 設備だけでなく、申請条件や補助金額の下限、必要書類なども確認する必要があります。

過去の助成件数は6件

京都府が公表している令和6年度(2024年度)の実施状況によると、「省エネ・節電設備更新補助金(サプライチェーン省エネ推進事業補助金)」の助成件数は6件でした。

助成件数だけで制度の利用しやすさを判断することはできません。しかし、京都市外の事業者にとって、LEDや空調などの設備更新に利用できる京都府の制度には、サプライチェーンに関する要件や補助額の下限、事前相談など複数の条件があります。

京都市では、LEDや空調などの設備更新を対象とした独自の補助制度が実施されています。一方、京都市外の事業者が京都府の制度を利用する場合には、こうした条件を確認する必要があります。

同じ京都府内でも、事業所の所在地によって利用できる制度や申請条件が異なるのが現状です。

まとめ|京都市外では所在地と申請時期まで確認しよう

京都市では現在、LEDや空調など幅広い設備更新を対象とした補助金が実施されています。一方、京都市外では市町村によって利用できる制度や対象設備が異なります。

また、京都府の「サプライチェーン省エネ推進事業補助金」は、2026年度に一度受付を終了した後、9月15日から追加募集が行われています。ただし、対象設備だけでなく、申請条件や補助額の下限なども確認する必要があります。

補助金を探すときは、

①事業所がある市町村に制度があるか
②京都府の制度を利用できるか
③導入したい設備が対象か
④現在も申請を受け付けているか

まで確認することが大切です。「京都府に補助金があるか」だけではなく、自社の所在地・設備・申請時期で実際に利用できる制度があるかまで確認しましょう。

また、京都市と京都市外では、利用できる省エネ設備の補助制度や申請条件に違いがあります。こうした地域による支援制度の違いについて意見や要望がある場合は、地域選出の京都府議会議員に声を届けることも一つの方法です。

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