滋賀県 事業所向け省エネ・再エネ等推進加速化事業の実施状況について

滋賀県が実施する同名事業を平成25年から直近令和6年度までの実施状況をグラフ化しました。このグラフからは多くのことが確認できます。

過去12年間で滋賀県予算は令和4年度をピークに直近は下降気味です。

  • 棒グラフラベル1 「診断予算」
    令和2年度からは「省エネ診断」事業の予算及び決算報告が分離してなされるようになりました。省エネ診断費用にあまり大きな変化はありません。
  • 棒グラフラベル2 「設備実施額」
    平成27年度と令和4年度において、設備等補助金における補助率は1/2であり、予算実行は100%が確認できます。しかしながら、令和4年度をピークに減少しています。
  • 棒グラフラベル3 「残予算額」
    平成28年度から令和元年までは予算余りが発生し始めます。これは設備補助要件である「省エネ診断」予算の不足や省エネ診断を受けながら設備投資補助を実行しない事業者の増加、補助率が1/3に減少していることが原因と言えます。予算あるあるで、前年度予算あまりが発生すれば次年度は確実に縮小することが確認できます。
  • 折れ線グラフ1 「採択数」
    省エネ・再エネ設備導入における申請採択事業者数を示します。こちらも補助率と共に上下を繰り返します。
  • 折れ線グラフ2 「診断数」
    設備投資要件である「省エネ診断」実施数になります。12年の成果もあり令和4年度をピークながら年間110件を実施しています。これには滋賀県が把握してない国の事業実施数もあるため県内での診断受診者数はもう少し多くなります。

一つ一つを読み解くと直近では40%以上の予算余りが発生していることになります。この事態の根本原因は、一つに「一事業者1回まで」という縛りを実施していることにあります。
通常の中小企業であれば、設備投資額300万円(補助率1/3、補助額最大100万円での最大補助金パフォーマンス額)では充分な更新は行えません。しかし、滋賀県はこの制度に固執する余り、常に新規利用事業者の開拓を迫られます。

又、同制度は補助金故に瞬時キャッシュを要求します。そのため、一事業者の平均採択額は70万円以下と交付効率の悪さが確認されています。

このように「必要な予算」を「必要な事業者」が利用できない状況を放置しても良いのでしょうか?
施策事業のPDCAが適切に実施されているとは考えにくい状況です。

滋賀県と滋賀県産業支援プラザは、省エネ診断費用を1/10に抑える手立てを理解していますが、この貴重な予算を使途不明な理由でプラザ省エネ専門家に誘導し、実質的に消化しています。

本当に誰のための県税なのでしょうか?何の目的のために実施されているのでしょうか?まるで私物化しているようにすら見えないでしょうか?実際、これほどまでの失策を繰り返しても誰も責任をとりません。

一般社団法人エナジーセーブデザイン協会では、滋賀県内の中小企業に向けてCO2ネットゼロを目指すために、同事業を今後も注視していきたいと考えています。

#滋賀県 #省エネ #補助金