省エネ診断で見えた改善点 |空調・照明改善の事例から解説

電気代や燃料代の負担が増えるなかで、少しでも負担を減らしたいという悩みを抱えている方は多いと思います。
しかし、古い設備から順に更新するだけでは、実際にどれだけの効果があるかを観測することができません。何から優先し、どんな手段で改善をするかを事前に整理するために役に立つのが、省エネ診断と省エネお助け隊です。
この記事では、一般社団法人エナジーセーブデザイン協会(以下ESDA)が、滋賀県高島市にて飲食・サービス業の店舗「岡田屋鶴亀」様にて行った省エネ改善の事例をもとに、省エネ診断で見えた改善点と、それを省エネお助け隊がどうサポートしたのかを紹介します。
省エネ診断だけではできないことを省エネお助け隊はサポート

岡田屋鶴亀様では、省エネお助け隊のサポートにより、事業所全体で年間費用削減額が37.6万に達しました。
投資回収年は、補助金がなければ12.5年かかる計算でしたが、これが補助金のおかげで8.4年まで短縮することが可能な計算となっています。
省エネ診断では、電気や燃料の使用量だけでなく、設備の稼働状況や日々の運用方法も確認します。
そのため、改善策は大きな設備更新だけに限られません。空調や照明のように更新効果が見込める設備もあれば、スイッチの位置、温度管理、室外機まわりの環境改善など、運用面の見直しで効果を積み上げられる場合もあります。
今回の事例でも、空調設備の更新に加えて、事務所から空調を管理できるようにしたことが無駄な稼働の抑制につながりました。省エネ診断の価値は、設備単体ではなく、施設全体の使い方を見直せる点にあります。
空調設備の更新で、電気使用量と灯油使用量の両方を削減

大きな改善につながったのが、約40年使用されていた空調設備の更新です。
古い空調機は、電力効率だけでなく、暖房能力や維持管理の面でも負担が大きくなりやすい設備です。今回の事例では、空調更新によって夏場の電力使用量が抑えられただけでなく、冬場に併用していた灯油ファンヒーターの使用も大きく減りました。
特に注目したいのは、灯油使用量の削減です。新しい空調機の暖房能力が向上したことで、2階宴会場で使っていた灯油ファンヒーター6台が不要になり、灯油を運ぶ作業負担も軽減されました。
省エネ効果は、電気代だけで判断するものではありません。燃料使用量、作業負担、利用者の快適性まで含めて見ることで、設備更新の意味が分かりやすくなります。
- エネルギー削減量:1.45kl/年
- CO2削減量:3.03t-CO2/年
- 費用削減額:24.6万円/年
室外機の日射遮蔽のような低コスト改善も見逃さない

省エネ改善では、大きな設備更新だけでなく、小さな対策を積み重ねることも大切です。
今回の事例では、室外機に直射日光が当たるのを防ぐため、遮熱スクリーンなどを設置する対策が提案されています。室外機まわりの温度上昇を抑えることで、空調機器の熱交換効率を保ちやすくするためです。
この対策による削減額は大きくありません。しかし、少額で実行しやすく、夏場の冷房効率を下支えする改善として意味があります。
省エネ診断を受けると、こうした「小さいが実行しやすい改善」も見つけやすくなります。大きな投資だけに目を向けるのではなく、運用改善と組み合わせて考えることが重要です。
- エネルギー削減量:0.02kl/年
- CO2削減量:0.04t-CO2/年
- 費用削減額:0.3万円/年
照明のLED化は、省エネとメンテナンス負担の軽減につながる

照明のLED化は、比較的取り組みやすい省エネ対策のひとつです。
今回の事例では、2階宴会場の白熱シャンデリア球をLED電球へ更新しました。白熱球は消費電力が大きく、点灯時間が長い場所では電気使用量に影響しやすい設備です。LED化によって消費電力を抑えられるだけでなく、高所の電球交換の頻度も減らせます。
宴会場や店舗のように照明の数が多い施設では、1灯あたりの削減効果は小さく見えても、全体ではまとまった削減につながる場合があります。
照明の見直しは、空調更新のような大きな投資と比べて始めやすい対策です。省エネ診断では、こうした取り組みやすい改善点も整理できます。
- エネルギー削減量:1.06kl/年
- CO2削減量:1.88t-CO2/年
- 費用削減額:12.7万円/年
省エネ診断で費用削減と設備更新の優先順位を整理し、省エネお助け隊で改善を実施

省エネ診断と省エネお助け隊をセットで活用いただくことで、状況把握から改善までの一貫サポートを受けることが可能です。
今回の事例では、空調設備の更新によって電気使用量だけでなく灯油使用量も削減され、灯油を運ぶ作業負担の軽減にもつながりました。また、照明のLED化では省エネとメンテナンス負担の軽減が見込まれ、室外機の日射遮蔽のような低コストの改善策も提案されています。
設備更新は、古いものから順番に入れ替えればよいとは限りません。削減効果が大きいもの、取り組みやすいもの、現場負担を減らせるものなどを並べて見ることで、自社にとってどこから取り組むべきか判断しやすくなります。
一般社団法人エナジーセーブデザイン協会(ESDA)では、省エネ診断から設備更新の優先順位整理、補助金申請に向けた伴走支援まで承っております。自社の設備更新や省エネ対策を検討している場合は、まず現在のエネルギー使用状況を確認するところから始めてみてください。

